JCICレジストリーについて
目次
- JCICレジストリー(旧JPICデータベース)について New
- データ入力マニュアル
- ワークシート
- 【重要】データ利用申請方法
- JCICレジストリー登録施設一覧
- 倫理審査について New
- よくあるご質問(FAQ)
- JCICレジストリーに関するお問い合わせ
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JCICレジストリー(旧JPICデータベース)について
2020年2月
はじめに
一般社団法人日本先天性心疾患インターベンション学会(Japanese Society of Congenital Interventional Cardiology,JCIC学会(旧JPIC 学会)では、1990年の創設当初から、先天性心疾患、川崎病心血管後遺症、頻拍性不整脈に対するカテーテル治療、すなわち小児期発症のあらゆる心血管インターベンションを対象とし、その発展向上取り組んでいます。旧JPIC学会調査委員会により1998年から、カテーテル治療手技・件数・合併症についての包括的な全国アンケート集計を行ってきました。旧 JPICデータベースは、このアンケート集計を発展、拡張させた事業であり、インターネット上のオンライン登録を基本構造としています。2011年1月より構築開始となり、診断名、治療手技、標的部位、合併症について、国際的に共有可能な用語にもとづき細分化されました。2013年1月登録症例より実運用開始となっています。そして、2020年1月JPIC学会からJCIC学会へと名称が変更されたことに伴い、JPICデータベースもJCICレジストリー(JCIC-R)に名称変更となりました。
従来アンケートからレジストリーへの完全移行
JCIC所属のカテーテル治療実施施設は全国で90余りにのぼります。そのうち計41施設において、2013年症例のレジストリー登録を初め、3年かけて従来アンケート集計からレジストリー登録への移行を進め、2016年1月より今後全国で先天性心疾患、川崎病心血管後遺症、頻拍性不整脈に対する心血管インターベンション行う全ての施設による登録へ、移行を完了しました。
目的
- ベンチマーキング、すなわち、全国集計との比較による自施設の手技の有効性とリスクの把握、および、それに基づく患者説明への利用
- 他のデータベースと情報共有することによる二重入力の回避
- 公的利用:新規デバイスの術者・施設認定、医療機器承認審査や製造販売後調査をへの利活用
- 学術的利用:多施設共同研究、論文化による国際発信
など。
特徴
現在、欧米を中心にいくつかのカテーテルインターベンション・レジストリーが立ち上がりデータの論文化もよくみられるようになっていますが、全国規模のものはありません。現在運用中のJCICレジストリーでは、以下に述べるような他のレジストリーにはないいくつもの特徴があります。
1) システム
NCD(National Clinical Database)をベースとしたオンライン登録システムで、JCVSD Congenital(日本先天性心臓血管外科手術データベース)とシステムおよび患者基本情報を共有する。これにより、低コストでのシステム開発、高い登録率、同一患者の診断名や既往歴の共有(二重入力不要)を実現する。
2) 入力項目
- 他の主要なデータベースと共通した学術的なNomenclatureにより、すべての診断名、手技名を網羅し、かつ、国際的に発信可能。
- 膨大な項目が網羅されているが、Web上の入力画面は、患者基本情報-入院情報-手技情報-合併症の階層構造として展開し、ほとんどが選択式のため、短時間で入力できる。
- 小児期から成人期までの先天性心疾患のみならず、川崎病心血管障害へのカテーテル治療、頻拍性不整脈に対する小児期アブレーション(正常心構造を含む)、先天性心疾患に対するアブレーション(成人期を含む)も登録可能。
3) データベースの運営組織図
- JCICのデータはJCIC学会に属するが、東大医療品質学講座の統計分析チームが管理する。各施設のデータを見る権利はこのシステム管理者に限定し、JCIC会員は自施設のデータおよび全国集計データを参照可能である(他施設のデータは参照不能)。
- 学会としてのデータの利用をする際は、解析を東大医療品質学講座の統計分析チームに依頼する。
- データの学術利用を利用する際にはJCIC学会の承認を必要とし、「authorshipの公平性」を担保する目的としてデータ利用規則を設け、学術利用検討ワーキンググループによる審査を受ける。
4) 倫理的配慮
患者個人情報に関しては高いレベルでの匿名化と暗号化通信および管理がなされるが、インターネット上で扱う以上、参加施設毎の倫理委員会承認および患者毎の説明・同意書が必要と考えられ、Opt-inルールに則って普及してきました。2016年1月からの全施設でのDB完全移行を受け、他領域NCD登録と同様にOpt-outルールへ移行できる運びとなりました。
*Opt-outルールとは: 各施設での倫理委員会もしくは施設長による認可のうえで、データ登録の際,患者さん個人の同意は必要とせず、原則として患者さん向け資料を参加施設診療科のホームページに記載して頂くか、施設内での掲示をして周知して頂く手続きのことを指します。次の欄に、その移行方法につき説明しておりますのでご参照下さい。
おわりに
小児期から成人期までの先天性心疾患のみならず、川崎病心血管障害へのカテーテル治療、頻拍性不整脈に対する小児期アブレーション(正常心構造を含む)、先天性心疾患に対するアブレーション(成人期を含む)を行うすべてのJCIC所属施設に当レジストリーへの参加をお願いします。申請書のサンプルや、入力項目一覧、運用細則などは、このJCICホームページの上で閲覧・ダウンロード可能ですので、是非ご利用下さい。最近では、本事業が軌道にのり新規医療機器導入、市販後調査へのの利活用や、研究事業の促進,認定医・術者認定業務への応用が始まっています。引き続き日頃のカテーテル治療全例のJCIC-Rへご入力頂き、JCIC会員の皆様のご協力により、先天性心疾患、川崎病心血管後遺症、頻拍性不整脈に対する心血管インターベンションの進歩に貢献できれば幸いです。
JCICレジストリーワーキンググループ
金 成海・犬塚 亮・松井彦郎・
青木寿明・加藤温子・喜瀬広亮・長友雄作・藤本一途・芳本 潤
データ入力マニュアル
データ入力マニュアル[pdf:997MB] | download |
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入力すべき合併症の種類と定義について
レジストリでは、カテーテル治療に伴う有害事象について、集計・報告に相当する内容のみ選択式で登録します。登録すべき有害事象の種類とその程度については、下記のファイルを参考にして下さい。
入力用ワークシート(全入力項目一覧チェックシート付)
JCICレジストリー20歳未満用(ABL)[pdf:609KB] | download |
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JCICレジストリー20歳未満用(ABL以外)[pdf:638KB] | download |
JCICレジストリー20歳以上用(ABL)[pdf:614KB] | download |
JCICレジストリー20歳以上用(ABL以外)[pdf:641KB] | download |
データ利用申請方法
JCICレジストリーの登録データを、学会発表・論文作成や、新規医療機器・技術導入のための資料作成に利用することが可能です。
Journal of JCICに掲載されているAnnual reportのデータや、JCIC会員ページにあるアンケート・DB集計結果の内容については、引用先を銘記の上、ご自由に引用して頂けます。
JCICレジストリーには、Annual reportのほかにも、患者背景、治療手技,標的部位、有害事象が詳細に分類され、数多くのデータが登録されています。データ利用を希望される場合は、JCICホームページに掲載されているデータ利用規程、細則をご確認の上、申請書/計画書をご提出下さい。データ利用は、学会発表・論文作成のための「学術利用」、新規医療機器・技術導入等のための「公的利用」に大別されます。それぞれ、以下の申請書/計画書の書式をダウンロードし作成して頂きます。
データそのものの提供はなされず、データを統計解析した結果が提供されます。
<学術利用フロー図>
提出先: JCIC学会事務局
<公的利用フロー図>
提出先: JCIC学会調査担当理事
JCICレジストリー登録施設一覧
JCICレジストリー登録施設一覧[Excel:13KB] | download |
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倫理審査について
Opt-outへの移行手順について
従来JCICレジストリーは、患者毎に説明のうえ、同意書を取得するOpt-inルールに則って運用してきました。JCIC学会では、2016年より、患者への周知をホームページ・掲示板などで行うことで、患者毎の同意書取得を省略するOpt-outルールへの移行も進めていく方針となりました。
Opt-outルールへの移行のためには、倫理委員会での承認または施設長の承認が必要ですが、主に以下の3つの方法があります。
- Opt-inからOpt-outルールへの変更に関して、既に自施設で承認されている倫理審査の申請書の修正申請を行う。または、Opt-outルールでのNCDへの参加に関して新規の倫理申請を行う。
- 個々の施設の倫理審査を省略することについて、施設長の承認を得る。NCDの事業は既に外部有識者を加えた日本外科学会拡大倫理委員会で承認されているので、施設長の承認があればここの施設の倫理審査を省略することが可能です。
- NCD倫理委員会で代理審査を実施する。施設長からの代理倫理審査依頼状が必要になります。
これらのさらに詳しい手順に関しては、NCDのホームページ
(http://www.ncd.or.jp/about/ethical_considerations.html)をご参照ください。
JCIC学会では、可能であれば最も手間の少ない2.の手順を推奨しています。
ままた、倫理委員会または施設長の承認後には、ホームページまたは掲示板で患者への周知を行う必要があります。
倫理委員会変更資料サンプル(Opt-in継続用)(2020年最新版)
申請書JCIC-Rサンプル[Word:62KB] | download |
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実施計画書JCIC-Rサンプル[Word:940KB] | download |
JCIC-R説明書(資料1)サンプル[Word:20KB] | download |
JCIC-R同意書(資料2)サンプル[Word:19KB] | download |
同意撤回書JCIC-Rサンプル[Word:29KB] | download |
小循倫理委員会審査通知書[Word:211KB] | download |
よくあるご質問(FAQ)
- Q: 当施設ではすでにJCVSDに参加していますが,改めてJCIC-Rに参加するために倫理委員会の承認を得る必要はあるでしょうか?
- A:はい,2016年まではOpt-inルールに則って,JCVSDとは別に貴院での倫理委員会承認と患者さんへの書面による説明と同意が必要でした.このため,全参加施設に施設毎の倫理委員会承認を得て頂きました.2016年1月以降はOpt-outルールに移行可能となっておりますが,新しく参加される施設には倫理委員会承認を得て頂くことをお勧めします.
- Q: 患者「生年月日」,「イニシャル」,母親の「生年月日」は,個人情報にあたるため,当院倫理委員会は登録を認めません。対策はありますか?
- A: はい.この場合,院内互換を前提に,「患者生年月日」と「手術日」「退院日」等を同一日数ずらして登録頂ければ,個人情報を登録しているとは看做されません(過去二施設でこのように対応して頂きました).解析には重大な支障は発生しません.イニシャルの登録を認めない施設でも同様に互換表を作成して頂くことで参加可能となります.また,母親の生年月日は,JCVSDとの患者同一化のため残された項目ですが,必須項目ではありませんので同意が得られない場合は空欄でも結構です.また,倫理委員会で削除を求められた場合は削除でも結構です.
- Q: 本研究は「医学研究に関する指針」のうち,どのガイドラインに相当しますか?
- A: 本研究は最新版(R3.3月)の中で「ヒトを対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」に即した多機関共同研究と位置付けています
- Q: 患者同意書の宛先はどのようにしたらよいのでしょうか?
- A: 同意書の宛先は,「日本先天性心疾患インターベンション学会レジストリー」となりますが,各施設の倫理委員会によっては,施設の責任者(病院長など)になる場合もあります.各施設にてご確認ください.
- Q: レジストリー登録を開始するにはどのような手続きをすればいいでしょうか?
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- A: NCD (National Clinical Database)のホームページにアクセスし,診療科開設,診療科長登録,主任医師・データマネージャー登録を行って下さい.手続き方法については,NCDホームページに詳しく記載されていますので,ご参照下さい.パスワード郵送,科長による登録承認など,少し時間を要する過程がありますので早めのお手続きをお願い致します.
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- Q: NCD診療科開設を開始したところですが,診療科長登録の専門分野について教えて下さい.「J-PCI」という選択肢がありますが?
- A: 現在のところ,「小児心臓血管外科」を選択し,さらに「JCVSDに参加していない」を選択して下さい(これにより貴院の心臓血管外科登録とは区別されます).「J-PCI」は成人の冠動脈インターベンションの分野となりますので,選択しないようご注意下さい.「小児循環器科」「小児科」など適切な選択肢がなく,分かりにくくて大変申し訳ありません.他のデータベースとの関連で改善が出来ていない部分ですので何卒ご了承下さい.
- Q: 主任医師・データマネージャーなどが退職,異動になったのですが,どのように手続きすればよいでしょうか?
- A: NCD (National Clinical Database)のホームページにアクセスし,もとの登録を必ず削除して下さい.そのうえで,新しい施設・診療科に主任医師・データマネージャーへの登録・承認手続きを行って下さい.別の施設から元の施設へのデータベース・ログインは絶対に避けて下さい.
- Q: 医療事務(クラーク)の方に主任医師のIDとパスワードを利用して入力してもらってよいでしょうか?
- A: NCD (National Clinical Database)ではID,パスワードの共有ははっきりと禁止されています.医療事務(クラーク)など,医師以外の職種はデータマネージャーとして登録することが可能です.診療科長,主任医師,データマネージャーになる方は1人ずつ登録作業を行って下さい.それぞれのID,パスワードの管理に十分ご注意下さい.
- Q: 患者同意書が得られていない場合は,入力はできますか?
- A:2016年1月以降はOpt-outルールに則って登録することが可能です.各施設単位の認可が得られていれば,施設内・診療科内にてNCD登録について患者さん向け資料にて周知のうえでデータ登録できます.それでも登録を拒否される患者さんがおられた場合には,DB登録とは別に,患者個人情報を除いた状態でJCIC-Rワーキンググループまで追加報告をお願い致します.こちらで計上致します.
- Q: 誤って患者登録を行ってしまいましたが,削除できません.どのように対応すればよいでしょうか?
- A: 別の新しい患者情報を上書きできる場合は上書きして下さい.
別の新しい患者情報を上書きできる場合は上書きして下さい.上書きする際は、既に入力されているデータは一つ一つ消去し、新規患者のデータと混ざらないようにご注意下さい。上書きする新規症例がない場合は、入力途中で「編集中」ステータスのまま残しておいて下さい.「編集中」あるいは「完了(未承認)」ステータスのままNCDで集計されることはありません.
- A: 別の新しい患者情報を上書きできる場合は上書きして下さい.
- Q: 外科で入院してから内科に転科して手術を行った場合,入院日は内科に転科した日になるのでしょうか?
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- A: 入院日は、外科・内科にかかわらず,貴施設への入院日で入力してください.
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- Q: 挿管・抜管時間についてですが,術前から気管切開している場合はどのように入力すればよいでしょうか?
- A: 気管切開をされている患者様の手術では,入院日・退院日をそれぞれ挿管・抜管時間としてください.
- Q: 昨年末に入院した患者様が,しばらく退院のめどが立ちません。その場合は抜管日時や退院日が入力できませんが,その年は100%入力完了にできません.どうしたらよいのでしょうか?
- A: 90日を超える長期入院のため入力を完了できない場合は,「手術入院情報」登録画面上の「長期入院症例」を入力していただくと100%入力完了になります.
- Q: 死亡退院された患者で,いったん退院日を入れて登録した後に,入院期間中にその他の手技を追加しようとしましたが,「死亡しているので追加はできない」とはじかれてしまいます.どうしたらよいでしょうか?
- A: いったん死亡登録を解除し「alive」を選択していただくと追加項目の入力が可能になります。
- Q: Fundamental diagnosisと「診断」の相違を教えて下さい.
- A: Fundamental diagnosisは生涯不変の診断名です(変更の履歴は残ります).「診断」はその手術にもっとも関係が深い順に診断1から入力します.
- Q: 「退院後フォローアップ情報」の欄で,カテーテル治療1年後の生存状態や1年後までに発生した合併症についてはまだ確定していません.どうしたらよいでしょうか?
- A: NCD症例登録期日は翌年の3月末〜4月はじめとなっており,カテーテル治療実施から1年以上経過していない症例についてはこの項目を入力できません.空欄のままでも入力完了(承認済)のステータスとするとは可能です.1年以上経過した症例については入力をお願い致します.
- Q: JCVSDに登録済みの術後症例にインターベンションを行いました.NCD初期画面の登録データ検索から院内管理コードなどをつかって検索をしたのですが,同定されません.まだJCVSDとは別途登録だったでしょうか?
- A: 将来的にはデータ共有をめざしておりますが,現時点ではできておりません.別途登録,検索をお願い致します.
- Q: 先天性心疾患ではない小児患者さんの中心静脈カテーテルの一部が断裂して肺動脈内に迷入し,異物除去鉗子で取り出しました.このような症例は登録の対象となるでしょうか?
- A: JCIC-Rは,すべての先天性心疾患に対するカテーテル治療,川崎病心血管後遺症および小児期の正常心構造をもつ頻拍性不整脈に対するカテーテルアブレーションを登録の対象としています.この事例はシステム上ではFundamental diagnosisでnormal heartを選択して登録することは可能ですが,JCIC-Rの主旨からは登録の対象から外れます.一方,先天性心疾患の心臓外科手術等に関連するイベントへの対処であれば,登録の対象となります.
- Q: 基礎疾患に川崎病はないようですが,川崎病のインターベンションは登録外でしょうか?
- A: 川崎病患者さんに対して冠動脈インターベンション(PCI)をされた場合は,JCIC-R登録の対象となります.Fundamental diagnosisでNormal heartを選択,手技のところで,PCI → KD-related → 部位 → 手技の種類(PTCR,POBA,BMS,DES,等)を選択,という手順でご登録下さい.
- Q: ASDに対して閉鎖栓の留置を行いリリース後に右PV狭窄に気づき,取り出した症例(1)がありました.また,ASDに対して閉鎖栓を留置しようとした症例で留置術前のカテ操作から右上PAPVCに気づき中止した症例(2)がありました.上記症例は、レジストリーに入力することはいかがでしょうか?
- A: インターベンション施行の定義としては,バルーン,ステント,閉鎖栓などの治療デバイスを(術野に開けただけでなく)体内に導入したものとして計上しています.症例(1)はそれに該当します.カテ開始後,診断・評価に伴う方針の変更や,治療前の状態悪化・合併症などで治療不施行となることがありえます.治療デバイスが体内に導入されなかったものは,診断カテとなりインターベンション件数に計上されません.症例(2)は閉鎖栓が体内に導入されていなければ,レジストリー登録対象ではありません.厳密には,留置目的で閉鎖栓を袋から取り出して準備していたけれども,造影所見,あるいはワイヤー・デリバリーシースが左上PVに入らないためPAPVCの存在に気付かれ,その時点で終了した場合にはレジストリー対象ではありません.閉鎖栓体内導入後の中止・回収判断の場合は(1)と同等です.
因みに,アブレーションは通電の有無で定義されます.
Web登録上では,各インターベンション手技について,標的部位での完了・未完了 (バルーンの拡張,デバイスの固定など)を選択する項目があり,それぞれの定義が表示されるようになっています.症例(1)は,未完了を選択することになります.
閉鎖栓施設認定基準においては,未完了の場合でも件数として計上されます.例えば,あとでErosionや脱落が起こった症例もカウントされます.一方,教育プログラムでは,教育担当医師の資格には手技中止率・合併症発生率の基準が定められ,またインプラント教育を受ける際には閉鎖線の留置完了が定められています.これらの微妙なラインもレジストリー登録で区別できるようになっていますので,今後ともご理解とご協力をお願いできれば幸いです.
- A: インターベンション施行の定義としては,バルーン,ステント,閉鎖栓などの治療デバイスを(術野に開けただけでなく)体内に導入したものとして計上しています.症例(1)はそれに該当します.カテ開始後,診断・評価に伴う方針の変更や,治療前の状態悪化・合併症などで治療不施行となることがありえます.治療デバイスが体内に導入されなかったものは,診断カテとなりインターベンション件数に計上されません.症例(2)は閉鎖栓が体内に導入されていなければ,レジストリー登録対象ではありません.厳密には,留置目的で閉鎖栓を袋から取り出して準備していたけれども,造影所見,あるいはワイヤー・デリバリーシースが左上PVに入らないためPAPVCの存在に気付かれ,その時点で終了した場合にはレジストリー対象ではありません.閉鎖栓体内導入後の中止・回収判断の場合は(1)と同等です.
- Q: 成人の先天性心疾患に治療を実施しました(例: デバイスによる閉鎖術,アブレーション)が,JCICレジストリーか,CVIT学会のJ-EVT/SHDレジストリーか,いずれに登録すればいいでしょうか?
- A: JCIC術者(小循専門医・JCIC認定医)を主術者とする症例はJCIC-RにCVIT術者(CVIT専門医・認定医)主術者とする症例はJ-EVT/SHDに,明確に区別し,二重登録を避けて下さい.
JCICレジストリーに関するお問い合わせ
- NCDシステムへの登録方法、ログインに関しては
- NCDトップページから、各種項目を参照してください。
解決が難しい場合には、NCD事務局お問い合わせフォームをご利用ください。
*NCD事務局はお電話でのお問い合わせには対応していません。 - JCIC-Rにおける倫理的事項、入力定義など全般的なことに関しては
- JCIC-RワーキンググループへEメールで遠慮なくお問い合わせください。
jcic.registry.group@gmail.com